誰にでも訪れる最期の日。
大切な方を温かく見送ってあげたいものです。
お葬式の流れや作法は、宗旨宗派や地域、時代によっても異ってきます。
また、故人が生前に様式を希望している場合もあるため、あらかじめ家族内で相談しておくのが良いでしょう。
ここでは、東京近郊で一般的に行われている葬儀をご紹介します。
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危篤から葬儀後までの流れ
ご危篤になられてからご葬儀を終えるまで、一般的には次のような流れになります。
【1】危篤→【2】臨終→【3】搬送・安置→【4】葬儀の打ち合わせ→【5】納棺→【6】通夜→【7】葬儀・告別式→【8】火葬→【9】初七日法要・精進落とし→【10】納骨・四十九日
法律により、ご遺体はお亡くなりになってから24時間は火葬が禁じられています。
また、お亡くなりになってから4日ほどでご遺体の腐敗が始まるため、4日目には火葬が終わるように段取りを組まなければなりません。
次の項では、一つずつ具体的に見ていきますね。
小さなお葬式
【1】危篤
ご危篤を医師から告げられたら、家族、親族、本人が会いたがっている人にすぐにお知らせします。
遠方の方には、危篤になる前に知らせておくのもよいでしょう。
危篤を知らせる一般的な優先順位は、以下の通りです。
[1]家族
[2]親族(3親等ぐらいまで)
[3]親しい友人・知人
[4]勤務先、学校、関係団体、隣近所
通常、連絡は電話です。
万が一つながらなければ、留守番電話やメールを利用してでも必ず連絡をつけましょう。
一刻を争うので、早朝や深夜でも失礼にあたりません。
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【2】臨終
まずは家族や友人・知人・菩提寺などに訃報を知らせます。
同時に葬儀社にも連絡を取りますが、病院で亡くなった場合、その病院が提携している葬儀社を紹介してくれることもあります。
なお、ご臨終をお迎えになった場所により、その後の流れが異なります。
亡くなった場所による違い
病院で亡くなった場合
病院でご逝去された場合は、病室から霊安室へ移され、病院から「死亡診断書」が発行されます。
自宅で亡くなった場合
すぐにかかりつけの病院に連絡を入れ、医師に死亡確認をしていただき「死亡診断書」を受け取ります。
なお、診断が終わるまで、ご遺体は動かさないようにしましょう。
かかりつけの病院がなければ救急車を呼び、その指示に従います。
遠隔地で亡くなった場合
旅行先や出張先など遠隔地で亡くなったときは、現地で火葬し、遺骨と一緒に帰宅する場合があります。
火葬せずにご自宅へお連れしたい時は、ご遺体の搬送を葬儀社に依頼します。
3つの事務手続き
ご臨終を迎えられたら、その後、ご遺体の引き取り、火葬、納骨を行うための届書や許可書が必要になってきます。
そのためにしなくてはならない事務手続きが3つあります。
「死亡診断書」の受け取り
病院からご遺体を引き取るときに「死亡診断書」を受け取ります。
「死亡診断書」は、その半面が「死亡届」になっていて、これを役所に届けなければなりません。
もろもろの手続きに必要になる場合があるので、コピーを取って保管しておきましょう。
「死亡届」の提出
死亡を知った日から7日以内(海外で亡くなった場合は14日以内)に、故人の本籍地か亡くなった場所、届出人の現住所のいずれかの市区町村役所に「死亡届」を提出しなければなりません。
「死亡届」を出さなければ、法律上、故人が生き続けてることになりますし、「火葬許可証」が発行されず火葬ができません。
なお、休日や夜間も受け付けてもらえます。
ふつう、葬儀社と打ち合わせをした際に、いつまでに手続きをしなければならないか指示があったり、葬儀社が代行したりしてくれます。
「火葬許可証」の受け取り
役所に「死亡届」を提出すると、その場で「火葬許可証」が交付され、火葬するときにそれを火葬場に提出します。
火葬が終了したら、納骨の時に必要な「埋葬許可証」(「火葬許可証」に印鑑が押されたもの)を受け取ります。
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【3】搬送・安置
病院などでお亡くなりになったとき、いったん病室から霊安室にご遺体を移しますが、数時間以内に移動するように病院側から求められるケースがよくあります。
そのため、下記のような場所で安置するのですが、そこに搬送する「寝台車」を手配しなくてなりません。
通常、霊安室で待機している際に病院提携の葬儀社から提案があります。
すでに葬儀を依頼している葬儀社がある場合は、そこに依頼しましょう。
搬送先
搬送先はご自宅か、事情によりご自宅に安置できない場合は、通夜・葬儀を行う斎場や保管施設などになります。
枕飾りの設置
ご自宅に安置する場合は、布団と枕が必要です。
ご遺体は北枕または西枕に安置し、お顔は白い布で覆います。
両手を胸の上で組ませて数珠をかけます。
掛け布団の上にはかみそり・ナイフなどの魔除けの守り刀を置きます。
枕元には白木の小机を用意し、お線香を上げられるように「枕飾り」を設置します。
「枕飾り」が用意できたら、僧侶をお招きし、お経をあげていただきます。これを「枕経」といいます。
最近は「枕経」を行わない場合もありますので、菩提寺がある場合は事前に相談しましょう。
通夜を迎えるまで故人の枕元に生花、「枕花」を供えます。
神棚がある場合は、扉を閉じて前面に白い半紙を貼ります。
これを「神棚封じ」といいます。
また、絵画や装飾品は弔事にふさわしくないので取り外すか、白い半紙を貼って隠しましょう。
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【4】葬儀の打ち合わせ
不幸があったらすぐに菩提寺に連絡しましょう。
家族で葬儀社を交え、喪主・施主、葬儀の形式、参列者の人数、予算などについて話し合いましょう。
接待料理の種類、規模によっても違いますが、一般的な葬儀の相場として、通夜に50~150名、告別式に20名ほど集まる規模で約200万円と言われています。
①菩提寺に連絡する
不幸があったらすぐ菩提寺に連絡します。
菩提寺が遠くても、近くにある同宗派のお寺を紹介してくれることもあります。
実家の菩提寺と同宗同派の寺院を近隣で探してかまいません。
葬儀社に相談すれば紹介してくれます。
②葬儀内容の確認
祭壇や棺などを決めます。
種類や大きさ、デザインによって料金が異なるので、葬儀社の説明をよく聞いて決めます。
もちろん、見積書は必ずチェックしましょう。
・祭壇
・棺
・骨壺
・供花
・返礼品
・遺影
・車両
・お料理
通夜・葬儀の告知
葬儀の日時が決まったら、故人と生前に親交のあった方々へ、電話やファックスまたはメールで告知をしましょう。
お手伝いを依頼
喪主や遺族は弔問客の応対をしなければならないので、親族や近所の方、親しい友人・知人などにお手伝いを依頼します。
受付・会計・案内係などが必要になります。
通夜や葬儀の終了後、お礼として志をお渡しすることもあります。
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【5】納棺
故人に旅支度の装いを施し送り出す「納棺の儀」を行います。
①末期(まつご)の水をとる
配偶者、親族、友人・知人の順に「末期の水(死に水)」をとります。
割りばしの先に脱脂綿をガーゼで包んだものをくくりつけ、水に浸して故人の唇を軽く湿らせます。
②湯灌(ゆかん)
故人の身体を家族が洗い清めます。
③旅支度
・死化粧…男性はヒゲをそり、女性には薄化粧をします。
・死装束…本来は白無地の経帷子(きょうかたびら)を左前に着せますが、最近は故人が生前に好んだ衣服や新しい浴衣などを着せ、納棺の時に経帷子でご遺体をおおうという場合もあります。
④納棺
本来は、ご遺族が通夜までに行うものですが、最近は葬儀社が手伝ってくれます。
納棺後、故人の愛用品を柩の中へ納めます。
指輪などの金属やガラス製品は、ご遺骨を傷つけるので入れることはできません。
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【6】通夜・通夜ぶるまい
遠方から起こしになる方もいらっしゃるので、通夜は翌日の夜に行うのが一般的です。
かつては、夜を徹して故人に付き添うのが習わしでしたが、最近は2時間程度で終了することが多いようです。
通夜の後には「通夜ぶるまい」をして参列された方々をおもてなしします。
通夜式の一般的な流れ(仏式)
基本的に、通夜の進行は葬儀社が取り仕切ってくれますが、一般的な流れは次の通りです。
1.通夜式受付開始→2.一同着席→3.僧侶入場→4.読経→5.焼香→6.僧侶退場→7.通夜式終了→8.通夜ぶるまい
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【7】葬儀・告別式
故人に最後のお別れをする儀式が葬儀・告別式です。
通常、通夜式翌日の午前中に行います。
葬儀開始の1時間ほど前には式場に到着し、葬儀社と段取りを確認しましょう。
閉式の宣言の後、遺族は最後のお別れの挨拶をし、故人の周囲を生花で彩ります。
棺の蓋を閉じて、喪主から順番にくぎ打ちをしたあと、棺を寝台車へ乗せ、火葬場へ向かいます。
葬儀・告別式の一般的な流れ(仏式)
1.葬儀社と進行確認(前日)→2.受付→3.一同着席→4.僧侶入場→5.開式の辞→6.読経・引導→7.焼香→8.僧侶退場→9.弔電→10.挨拶→11.閉式の辞→12.お別れ
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【8】火葬
火葬をするのに必要な「火葬許可書」は「死亡届」を役所に提出した際にその場で発行されます。(多くの場合、葬儀社が代行して手配してくれます。)
火葬後に証印が押されて「埋葬許可証」として返却され、納骨時に必須の書類となるため厳重に保管しましょう。
火葬場に到着すると、柩は火葬炉へ運ばれます。
炉の前にある祭壇用の小机に位牌と遺影を飾ります。
①荼毘(だび)
僧侶の読経・焼香の後、喪主から順に焼香し、柩を火葬炉の中に納めます。
ます。(僧侶が同行しない時は葬儀社の案内に従います。)
②火葬が終わるのを待つ
火葬には1時間ほどかかりますので控室で待ちます。
控室では、遺族が僧侶と参列者をお酒や茶菓でもてなします(お食事をすることもあります)。
僧侶には、上座に座っていただきましょう。
③骨上げ
火葬が終わったら、お骨を骨壺に納める「骨上げ」をします。
葬儀社または火葬場の案内の方の指示に従い、2人1組でお箸を使って1片のお骨をはさんで拾い、骨壺に納めていきます。
分骨を希望する場合は、事前に伝えておきましょう。分骨用の骨壷を用意してもらえます。
分骨後の納骨場所が異なる場合は、火葬場から「分骨証明書」を発行してもらいましょう。
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【9】初七日法要・精進落とし
故人がお亡くなりになった日から7日目に「初七日法要」を行います。
ただ、最近は葬儀の当日に「遺骨迎えの法要」と併せて、「繰上げ初七日」を行うことが多いようです。
「繰上げ初七日」の法要を終えた後に、僧侶と参列者へ「精進落とし」をふるまいます。
①お清め
火葬場から式場に戻ってきたら、入る前に塩と水でお清めを行います。
②初七日法要
本来の初七日に法要を行う場合は、親族・友人・お世話になった方々を招きますが、遠隔地から訪れる親族などに配慮し、葬儀当日に遺骨の迎え法要と一緒に済ませてしまうことが多くなりました。
精進落とし
習わしでは、遺族は、忌明けまで肉や魚を口にするのを慎んでいました。
それが明けて、普通の食事に戻るのが「精進落とし」です。
最近は、葬儀でお世話になった人々におもてなしをする意味が強くなっています。
④後飾り
納骨のときまで、遺骨・白木の位牌・遺影写真を祭壇にご安置します。
この祭壇を「後飾り」といい、上記のほか、香炉、燭台、葬儀で使用した供花や供物を飾ります。
「後飾り」の祭壇は、四十九日の忌明けまで設けておき、通夜や葬儀・告別式に参列できなかった方がお越しのときはこの祭壇にお参りいただきます。
なお、四十九日までに黒塗りの位牌・お礼状、香典返しを用意しておきましょう。
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【10】納骨・四十九日
自宅に安置していた遺骨をお墓に納めることを「納骨」といいます。
また、人は亡くなると四十九日間は中有 (ちゅうう)に迷っているといわれます。
そのため、成仏するように七日ごとに供養をしますが、特に四十九日の法要は重要です。
喪主も遺族も喪服を着用し、一般的には次のような流れで行います。
一同着席→開始のあいさつ・僧侶入場→読経・焼香→読経法話・僧侶退場→施主のあいさつ→お斎(おとき 会食のこと)→施主のあいさつ→引き出物をお渡し→閉式
四十九日法要を終えた後、納骨式を行うのが一般的です。
ですから、四十九日法要までに仏壇・お墓・本位牌を準備しておきましょう。
また、法要のお布施は、葬儀の際の10分の1が一般的な相場と言われています。
葬儀と法要の打ち合わせの際に葬儀社やお寺に確認するといいでしょう。
よりそうお坊さん便
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