料金体系が不透明な葬儀の世界にあって、明朗会計な葬儀を提供するとテレビCMでおなじみの「小さなお葬式」。各プランの料金はどれもリーズナブルで、全国平均よりはるかにお安くお葬式があげられます。
ただ、各プランには含まれないサービスがあるため、思わぬ追加料金がかかってしまうこともあるもの事実。
「いざ会計」という時に予定以上の請求になることを防ぐため、プランごとにかかる追加料金を一覧にまとめました。ぜひ、ご参考にしてください。
【“小さなお葬式”が消費者庁からお灸!】
「小さなお葬式」を運営するユニクエストは、かつて消費者庁から「追加料金が一切不要なように表示していたのは景品表示法違反に当たる」とお灸をすえられたことがあります。
2021年7月2日のこと。
消費者庁は、ユニクエストが葬儀費用に追加料金がかからないかのように広告したのは景品表示法違反の「有利誤認」に当たるとして、課徴金1億180万円の納付を命じました。
2016年4月から17年12月まで「小さなお葬式」のサイトで「追加料金一切不要」「プラン金額がお葬式にかかる全ての費用」と表示されていましたが、実際には、霊柩車の搬送距離や遺体の安置期間などによって追加料金が発生していたんです。
急激に売り上げを伸ばす企業は公官庁から注目されますから、こういうことって起こりがちではあるんですが…。
まあ、何年も前の話ですから、もちろんすでにサイトやパンフレットの表記は訂正されています。
また、プランごとにそこに含まれるもの・含まれないもの、オプション、「その他に追加費用が掛かる場合」が明記され、とてもわかりやすくなっていますよ。
【“小さなお葬式”の追加料金】
とはいえ、私たちが「小さなお葬式」に魅力を感じるのは、全国平均121万円といわれているお葬式料金にどこか納得しがたいものがあるからですよね。
ですから、仮にリーズナブルな料金でお葬式を挙げられてとしても、なんだかわからない追加料金が発生して見込み以上にかかってしまうのも面白くありません。
そこで、プランごとに追加料金を一覧表にしてまとめました。
「このプランを利用される方だったら使うかもしれないな…」と思われるものをリストアップしています。
ですから、例えば、お通夜・告別式・火葬式を省く「小さなお別れ葬」では、返礼品や供花は記載しませんでした。
逆に、火葬費用はすべてのプランに記載しました。
というのも、火葬費用は自治体によって無料のところから7~8万円かかるところまでバラバラなので、どのプラン、というより、どの葬儀社を使っても別料金になるからです。
その辺を踏まえてごらんください。
●小さなお別れ葬(割引価格:97,900円)
無宗教向けです。遺体を安置・納棺してから、通夜・告別式をしないでそのまま火葬場へ向かい、火葬場での読経もありません。
火葬まで故人と対面できない、お坊さんを呼べないといったデメリットがありますが、もっとも費用が抑えられるプランです。
参加人数の目安は、1~5名。
【別料金になるもの】
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- 火葬場まで寝台車でなく霊柩車を使用する場合:49,500円~
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
- 白木位牌など仏具一式
- 線香・ろうそく
- 遺影写真
●小さな火葬式(割引価格:152,900円)
遺体を安置・納棺してから、通夜・告別式をしないでそのまま火葬場へ向かいます。
限られた家族だけで火葬のみを行うプランです。
参加人数の目安は、1~10名。
【別料金】
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- 火葬場まで寝台車でなく霊柩車を使用する場合:49,500円~
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 付き添いができる場所で安置する場合:55,000円
- 上記の安置場所での布団代
- 納棺でのお花増量:22,000円~
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
- 火葬式にお坊さんを呼ぶ場合:60,000円(お布施・お車代・御膳料・戒名授与含む)
- 戒名のランクアップ
- 遺影写真
●小さな一日葬(割引価格:290,400円)
お通夜を省いて告別式だけを行う葬儀。
1日で終わるのでご高齢者や遠方の方の負担を軽減でき、また、告別式は行うので周囲の理解が得やすいプランです。
参加人数の目安は、5名程度。
【別料金】
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- 火葬場まで寝台車でなく霊柩車を使用する場合:49,500円~
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 付き添いができる場所で安置する場合:55,000円
- 上記の安置場所での布団代
- 規定料金(50,000円)以上の葬儀場を使った場合
- 納棺でのお花増量:22,000円~
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
- 火葬式にお坊さんを呼ぶ場合:90,000円(お布施・お車代・御膳料・戒名授与含む)
- 戒名のランクアップ
- 返礼品:1,100円~
- 供花:22,000円~
- 祭壇花ランクアップ:55,000~110,000円
- 湯灌:110,000円~
●小さな家族葬(割引価格:389,400円)
近親者のみで小規模ながらも、一般的なお通夜・告別式を行う葬儀。
ゆっくり故人と過ごす時間が取れるプランです。
参加人数の目安は、10名程度。
【別料金】
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- 火葬場まで寝台車でなく霊柩車を使用する場合:49,500円~
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 2日以上付き添いができる場所で安置する場合:55,000円
- 上記の安置場所での布団代
- 規定料金(100,000円)以上の葬儀場を使った場合
- 納棺でのお花増量:22,000円~
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
- 火葬式にお坊さんを呼ぶ場合:180,000円(お布施・お車代・御膳料・戒名授与含む)
- 戒名のランクアップ
- 返礼品:1,100円~
- 供花:22,000円~
- 祭壇花ランクアップ:55,000~110,000円
- 湯灌:110,000円~
- 料理:通夜振る舞い:3,300円~、精進落とし:5,500円~
- マイクロバス:55,000円~
●小さな一般葬(割引価格:609,400円)
仕事関係・ご近所など参列者が多く、一般的なお通夜・告別式を行う葬儀。
参加人数の目安は、30名以上。
【別料金】
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 2日以上付き添いができる場所で安置する場合:55,000円
- 上記の安置場所での布団代
- 規定料金(100,000円)以上の葬儀場を使った場合
- 納棺でのお花増量:22,000円~
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
- 火葬式にお坊さんを呼ぶ場合:180,000円(お布施・お車代・御膳料・戒名授与含む)
- 戒名のランクアップ
- 返礼品:1,100円~
- 祭壇花ランクアップ:55,000~110,000円
- 湯灌:110,000円~
- 料理:通夜振る舞い:3,300円~、精進落とし:5,500円~
【まとめ】
見ていただいたように、参加人数やプランの趣旨によって“絶対必要なもの”と“追加になるかもしれないもの”が違います。
まずは、どのような形で故人をお見送りしたいかを検討するところから始めましょう。
ただ、次のように「小さなお葬式」のどのプランにも共通する追加料金もあります。
- 安置場所や火葬場まで50kmを超える場合の搬送料
- 高速道路や飛行機などの使用した場合の使用料
- ご遺体の状態がよくない場合の処置・備品(事件・事故・感染症などの場合)
- 火葬費用
- 火葬場での控室利用料
離島や旅行先などで亡くなった場合、搬送距離がかかる場合もあります。
お近くの火葬場の予約がいっぱいで、仕方なく遠方を利用することもあり得ます。
また、火葬が終わるまでは1時間ほどかかります。
ロビーで待つのならば別ですが、控室を利用すればその料金もかかります。
現実問題として、「どのような形で故人をお見送りするのか」と「費用」の問題は切り離せません。
予め検討しておかないと、大切な方のご臨終から病院を出るまでの3時間ほどでバタバタと葬儀社を決め、内容を打合せしなければならなくなってしまいます。
すると、後日、思ってもいなかった料金が請求されることもなくはありません。
まずは、情報を集めるところから始めましょう。